「モチベーションは無理に上げない」

と私が言うと目の前の営業部長は

「本当ですか？？」

と驚いた。

私は先日、ある会社の営業部長と

営業マンのモチベーションについて話をしていた。

多くの人は、営業マンはモチベーションが高いほうが

良い成績を上げられると考えている。

だから、上司は営業マンのモチベーションを上げようと

様々な手を打つ。

「そうですよセミナーとかも、一瞬ですからね。

モチベーションが上がるのは」

「ですよね、私もたくさんそれを経験しています」

逆にモチベーションを無理やり上げてしまうと

今度は落ち込んだ時に、逆に大きく落ち込んでしまう。

上げられたモチベーションが高ければ高いほど

モチベーションが下がった時に落ち込みが大きいのだ。

「そうですね、確かにそんな感じがします」

とその営業部長は話をしてくれた。

「だから逆にモチベーションを上げないようにするのです」

と私が言うと、その営業部長は驚いたように

「モチベーションを上げないのですか？」と目を丸くした。

モチベーションを上げないマネジメント

私は何十年も様々なタイプの営業マンを見てきた。

そして、私自身も営業マンであったことがある。

モチベーションはある種の麻薬的な効果がある。

モチベーションがアップした時には

すごくやる気が出るけど、

下がった時には極端にやる気が出なくなる。

そんな経験もしたし、そんな営業マンも見てきた。

だから私は営業マンのモチベーションは無理やり上げるのではなく

下げないように気を使うほうがいいと思っている。

モチベーションを上げるのではなく、

下げないようにすることのほうがはるかに重要。

しかし、モチベーションを上げるよりも

モチベーションを下げないほうが実ははるかに難しいのだ。

なぜならば、上げるのは一瞬でできるが

下げないようにするのは一瞬ではできないから。

普段から上司と営業マンとの関係性が良好であることも重要だし

上司が営業マンをよく観察していることも大切だからだ。

例えば営業マンから、少しでもネガティブな発言が出た時には

すぐに上司が対処する必要がある。

その対処は、単に注意するとかではなく

その原因を探って、その原因を取り除く。

もちろんそれをするには、普段から営業マンと積極的に話をしていることも

ポイントだ。

多くの営業マンの上司は

モチベーションを上げることばかりを考えているけど

時にはモチベーションを下げないことに力を注ぐことに

力を入れたほうがはるかに成果が出ますよ。