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営業は心理戦 その3 とあるショップでの話

とあるゴルフショップでの話 続き

若手女性社員が、上司のサポートを受けながら、試打しているお客さんをフォロー中。

「これいいんだけど、ちょっとなんていうかな??自分には合わない気がするんだけど、どうだろうか?」

そう言いながら試打を続けるお客さん、その試打を見ながら彼女は次の質問をした。

「お客さんは、ドライバーでどんなボールを理想としますか?」

その質問に試打の手を止めたお客さんが、彼女の方を振り返りながら

「そうだな、もっと高いボールを打ちたいんだよね。今のドライバーだとボールが高く上がらない。ランは多いから飛距離は出るんだけど、本当はもっとキャリーが欲しいんだよね」

と言う。

この話を聞きながら、彼女は上司の話を思い出した

「お客さんにまずは今のクラブの感想を聞きましょう。その感想を聞いたら、次に質問をしましょうね。その質問は「どんなイメージのボールを打ちたいのか?」ですよ。「ボールを高く上げたい」との言葉が出てきたらその時にはこちらのクラブを渡してください。そして・・・」

彼女は、上司から言われた通りにクラブをお客さんに渡した。

そして

「ではこっちのクラブを打ってください。今試打しているクラブとほぼ同じですが、少しだけボールが上がりやすいようなセッティングになっています。だからと言ってボールが吹け上がることはありません」

と言いながらクラブをお客さんに渡した。

お客さんは、手渡されたクラブで2発ほどボールを打つ。打たれたボールが落ちるのを見届けるか否かいきなり振り向き

「いいねこれ!!弾道も最高だし、初速も出ているよ。距離も出てるよ。まさに自分が求めている感じ。何よりもこの顔がいいよね」

そう言いながら数発打ってから

「決めたよ。これにする。さすがぴったりのクラブを紹介してくれてありがとう。これ買うよ」

そのお客さんの一言に、彼女は天にも昇るような気分。

その心を少しだけ抑えるように、でも最高の笑顔で

「ではお会計はこちらで」

と言ってお客さんをご案内した。

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