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営業は心理戦 その4 とあるショップでの話

とあるゴルフショップでの話

お客さんに無事ドライバーを購入してもらい、なんとか責務を果たしてホッとしていた。

そんなところに上司がやってきた。

「無事購入してもらえたようですね」

「はい、無事購入してもらえました」

「それは良かったですね」

「始めてクラブを試打してもらって販売できました。ありがとうございます」

「これも経験ですから、この調子で頑張ってくださいね」

「はい頑張ります。でもなぜ店長は、お客さんが欲しがっているドライバーがわかったんですか?」

彼女には全くわからなかったので、素直に質問をした。

「そうだね、まだ無理かもしれませんけど、少し慣ればわかってきますよ。でも、それも経験なので知っておくといいですね」

そう言いながら上司は話を始めた。

「初めに私はゴルフは道具を見ることで、どんなクラブを欲しがっているのかがわかるって話をしたよね。」

「はいそう言われました」

「だから、クラブを持ってきているお客さんに応対する時には、まずはクラブをチェックするんだよ。」

「はいそれも言われていました」

「あのお客さんの持っているクラブは、チラッと見たところではかなりのハードスペックのクラブだったので、ドライバーもそれなりのスペックを求めているなというのはわかるわけですよ」

「なるほど」

「そうすると、まずは初めにハードスペックのクラブを持っていくことが大切なんですよ」

「えっ?なぜですか?」

「お客さんが、ここでこちら側をチェックするわけですよ。

「この店員さんはゴルフのことわかっているのかな?」

や「自分のことをわかっているのかな?」ってね。

そこで、中途半端なクラブを出してしまうとお客さんも「ちょっと」ってことになってしまうんですよ。だから、最初にどんなクラブをチョイスするのかはとっても重要なポイントなんですよね」

「そうだったんですね。だから店長はさりげなくお客さんのクラブをチェックしていたわけですね。すごい」

「すごいわけでもないから、すぐにできるようになりますよ。大切なことは、初めにお客さんの心を掴むことですね。だからそういう意味では、おそらく初めの段階でお客さんの心は掴んでいると思いますよ。初めに渡したクラブですぐに試打をしてくれましたよね」

「はい受け取って、ちょっと嬉しそうな感じで試打しました。でも、その裏では店長そんなことも考えていたんですね」

「そうですね、販売っていかに相手の心を掴むかがポイントですからね」

「じゃぁ、2本目のクラブはなぜあれだったのですか」

「それはね・・・・」

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