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営業は心理戦 その5 とあるショップでの話

とあるゴルフショップでの話

「じゃぁ、2本目のクラブはなぜあれだったのですか」

「それはね、初めのクラブが実は超がつくほどハードスペックだったからね。もしかしたらあれでは打てないかもしれないという気持ちがあったので次を用意していましたよ。あのクラブは正直かなり厳しいですよ。逆に打てる人が少ないですからね。だから、打てなかった時のために、少しだけ打ちやすくしたクラブを選択しておいたわけです。」

「そうだったんですか。全然わからなかったです」

「ごめんね。そのことは話す時間もなかったしね。でもそうなんだ。ただ注意しなければいけないのは、次のクラブを渡す瞬間なんだよ。君はどうやって渡したんだっけ?」

「まずは相手に質問をして、それから言われた一言付け加えて渡しました。教えていただいた通りに」

「そこがポイントなんですよ。まずは相手に話を聞くこと。これは、初めにお客さんに接する時でもそうですし、試打の途中でも同じことです。まずはお客さんの話を聞くこと。そのためには質問をすることが重要になるんです」

「私が質問したら、お客さんは「自分には合ってない」って言ってました。そして「ボールをもっと上げたい」とも言っていました」

「そうですか、確かに初めに渡したドライバーでは。ボールを上げるのは大変ですね。だからお客さんが「自分には合ってない」というのも頷けます。だからこそ次のドライバーが活きてくるわけですけど。」

「で私はお客さんに、「どんなボールが打ちたいのですか?」という質問をしたら、「もっと高いボールを打ちたい」って言ってました」

「そうですか、それで次の2本を渡したのですね」

「はい、少しだけボールが上がりやすいセッティングにしてあると言って渡ししました。そしてボールが吹け上げることもないと」

「それでお客さんは試打をして決めたんですね。ここで実は重要なことがあるんですよ。わかりますか?」

「いやわかりません」

「あのお客さんは拝見する限りかなりの腕前ですね。そんな方に「こっちの方が優しいですよ」って言ったらどうなると思います。もちろん紳士な方のようですから怒ることはないでしょう。でも内心とても嫌な気分になる可能性があります。そうすると今度は試打にも影響が出る。だからこそ、試打を成功させるためには、相手が気持ちよく試打をしてもらう必要があるわけ。それが君が言った言葉なんですよ」

「なるほど!!よくわかりました。とにかく相手の気持ちをつかんで、気持ちよく試打してもらうことが大切なんですね。次回は、今日のことを頭に入れて頑張ります」

「あとひとつあるんだ。それは製品についてももちろん必要ということですよね。製品について、もう少し勉強してくださいね」

「え??あっハイ・・了解しました・・爆笑」

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