苦労話
先日ある方の苦労話を聞いていた。特に私のクライアントではありません。知り合いという関係で、その人の仕事の大変さを聞いていた。
現在その人の立場はあるお店の店長。自分でも売上を上げなければならないし、働くスタッフにも売上を上げさせなければならない。
私はその立場を聞いた瞬間に「大変」と思いましたよ。正直に書けばこの人のような「プレイングマネージャー」は、私はやりたくないですよ。仕事上で、最も大変な立場だと思いますから。
部下にも売上を上げさせつつ、自分も売上を上げる。これはある意味絶対に無理なことなんですよ。その方もその立場で大変な思いをしているようです。
プレイングマネージャーは無理
私は「プレイングマネージャー」は、その人がよっぽど能力が高くないと無理だと思っています。だから私のような凡人には絶対に無理です。(もちろん前出の方の能力とは関係ありませんからね)そもそも、その立場で私は仕事をしたいとは思いませんから。
逆に、マネージャーだけの方がはるかに楽。もしくはプレイヤーとして仕事をしている方がいいですよ。最近若い人が、「マネージャーになりたくない」とよく聞きますが、その気持ちもわかりますね。
だって日本のマネージャーは、その多くがプレイングマネージャーですから。
プレイングマネージャーが大変な理由
では、なぜプレイングマネージャーが大変なのか?
これは簡単です。
一人で二役をこなさなければならないから、それも真逆の二役を。「ジキルとハイド」ですかね??
例えばこんなこと。
自分がプレイヤーという立場を取った時には、部下には良い同僚となれる。部下からも同僚として接してもらえる(かもしれない)。自分もその立場であるから、彼らの気持ちは理解をするし、彼らも「自分のことをわかってくれる」と話をしてくれる。
しかし、立場が変わってマネージャーの顔になると、あなたが部下から話を聞いて同意したことに真逆のことを言わなければならない。
これは、昨日までの部下との関係なんてぶち壊し・・そして・・・。
プレイングマネージャーとは、常にそのような状況にあるわけです。
普通に考えても大変ですよね。その二つの顔をうまく使い分けをする必要があるから。
でも基本的にはそれは無理なんですよ。そんな都合の良いことは。
少しでも大変じゃなくできないか?
では「プレイングマネージャー」をうまくできる方法はないのか??
私は、正直にお話をしてうまくできる方法はないと思います。でも、少しぐらいはうまくできるような考え方はある。
それは、比率を変えること。
多くのプレイングマネージャーは、マネージャーとプレイヤーの顔を半々で考えがちです。でも、それがその仕事を難しくしている原因。
そうではなく、二つの仕事の比率をどちらかに移動させることで考え方がすごく楽になります。
例えば、マネージャー側に比率を移す。7割はマネージャーとして働く。
そう考えることで自分のポジションをマネージャーとして考えられるようになる。
そうなると今度は、プレイヤーとしての立場をマネージャーとして見られるようになる。
自分がプレイヤーとして働く時には、マネージャーとして指示を自分に出すような感じで働くことができる。そうなれば、逆に自分の部下にも適切な指示が出せるようになる。ようするに自分が部下としてマネージャーとしての指示を体験できるようになる。
これはある意味では貴重な体験ですよね。
たった一つの考え方ですが、これだけで結構視点は変わるものです。
もしあなたがプレイングマネージャーであるなら、また、あなたの元にプレイングマネージャーがいるのならこの考え方を一度実践してみるのはどうでしょうか?