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仕事が終わらない 3

何をすればいいのか?

昨日の続きから・・・

「限られた人員と限られた時間。生産量を増やすためには何かを変えないといけない。今と同じでは、その結果も同じなのです。それはきっと皆さんもお分かりになっていますよね。だからこそ、もっと生産性を上げるための方法を皆さんで考えましょう」と私は言った。

「でも、もうできることは全てやってます。私たちはこれ以上できません。」と中の一人が悲痛な叫びのように話をした。

「その通り」とばかりに全員が頷く。

私はその状況を見ながら、話を続けた。

「そうですね、クレームに対応するために皆さんは考えられることを全てやっています。だからこれだけの製品を作ることができている。今の状況でこれ以上何かを増やすことは難しいですよね。私もその通りだと思います」

ここまで話をして、私は一呼吸をした。そして続けた。

「加える」から「差し引く」に変わる瞬間

「私たちは、いつも何かを変えようとする時には「プラス」することから考えはじめます。わかりやすい話がテレビのリモコン。

「もっとよくしよう」

「もっと使う人のために」と作る人たちはどんどん新しい機能をプラスしていきます。その結果は?あなたのお家にもあると思いますけど、半分以上使っていないボタンが付いているリモコンです。でも本当は、電源スイッチ、チャンネル、音量これだけあればリモコンとしては十分ですよね。あとは録画と再生ですかね?」この話をしながら私は参加者の顔を見ていた。

話の内容の理解度を確認しながら次に進めるために。

「テレビのリモコン同様に、実は物事の本質ってとってもシンプルだったりします。本当に必要なものって最低限のことだったりするわけです。だから、時にはある程度までいくと、加えるから差し引くという流れが生まれる。どんなものでも、ある程度までいく必ずシンプルな製品が生まれてくるのはそのためです。「そこまで必要ないんじゃない??」っていう発想が生まれてくるわけです。カッコよくいえば「本質回帰」という感じですかね」

私はここまで話をして、周囲の反応を伺った。しばらく沈黙が続いた。私も黙っていた。その沈黙にしびれを切らすようにリーダーが口を開けた。

「私たちのやっていることが何か違うとおっしゃりたいのですか??」その言葉には「自分たちのやっていることは間違ってない」という自信と私の言葉に対する挑戦が感じられた。

その言葉をしっかりと聞きとめて、しばらく考えて私は静かに口を開いた。

「そんなことはないですよ。むしろ皆さんのやっていることは・・・」

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