「売れないよ」
「売らなくていいからね。多分売れないから。」
そう言って私はその営業マンに一声かけた。
「絶対に売ってきますよ!!」と、その営業マンは自信に溢れた顔をしていた。
「まぁ、頑張ってね」と私はドアを出るその営業マンに声をかけた。
そしてその日の夕方。入り口のドアが開く。そして力のない声で「ただいま」という彼がいた。
「どうだった?」と私が声をかけると
「ダメでした・・・・」と弱々しい答え。
「初めはそんなもん。気にすることないから!!」と私が言うと
「はい・・・」と消え入りそうな声が返ってきた。
恒例のやり取り
以前の私の職場での出来事。新人営業マン(中途採用の人で前職も優秀な営業マン)が、初めてお客さんのところに行く時のやり取りと、その日に帰ってきた時のやり取り。
本当に9割の営業マンはこのパターン。営業マンはここである種の「自信喪失」が起こる。私はそんなこと普通だと思っているし、そもそもすぐに売れることを期待してませんでしたから、全然売れなくても気にしてないのですけどね。
でも、彼らは売ってこようとしているから、すごくショックを受けるわけです。
そもそも売ろうとするから「売れない」のですけど、彼らはそれをわかっていないから「なぜ売れないか?」を体験させるための恒例行事のようなものでした。
そして、このことはその後彼が優秀な営業マンになるための重要なポイントになるのです。
なぜ売れないのか?
ここであなたに質問ですが、彼はなぜ売れなかったのか?
なぜだと思いますか・・・ちょっと考えてください・・・
「商品知識がないから」
「説明が上手くないから」
その理由はいろいろと出てきますよね。でも私はほとんどの営業マンに基本的な「商品知識」は覚えるようにしていました。(ある時からそれは無駄だと考えるようになりましたが)「説明」も上手くできるようにしていましたよ。
でも、売れないですね・・・汗。
なぜ??
それについて、私なりのいくつかポイントがあります。でも一番はこれです。
「初対面だから」
「なにそれ??」って怒られそうですがはっきり言います。
「初対面だから」売れないのですよ。
「初対面」だから売れない
あなただって、アポイントを取ってきたといっても、初対面の人から何かを買いますか??
多分買わないですよね。よっぽどあなたが「すぐに欲しい」と思っているものなら別でしょうけど、それ以外のものであれば、少しぐらい興味があっても「買うよ」とはならないでしょう。「ちょっと検討させて」ですよね。
もしそこで、少しでも強引に売り込まれたら・・・もう答えは明らかですよね。
あなたがもしそうであれば相手だって同じことですよ。でも、営業マンにはそれを「しろ」と言っている??
それって思いっきり矛盾。
では「初対面」では絶対に売れないのか?それも違いますし、売るための手法はありますよ。
でも、それを使わなくても良い営業パターンであれば、まずは「初対面」の時にやることは決まっているのです。
それは・・・売り込みではありません。
なにをすればいいか?
それはこれだけ。
「相手の話を聞く」
もちろん、あなたの会社の営業マンは、そんなことはわかりきっているしできていますよね!!